相続 納税者が死亡したときの確定申告

年の中途で死亡した人の場合は、相続人が、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。これを準確定申告といいます。
準確定申告をする場合には、次の点に注意してください。

(1) 確定申告をしなければならない人が翌年の1月1日から確定申告期限(原則として翌年3月15日)までの間に確定申告書を提出しないで死亡した場合
 この場合の準確定申告の期限は、前年分、本年分とも相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。
(2) 相続人が2人以上いる場合
 各相続人が連署により準確定申告書を提出することになります。
 ただし、他の相続人の氏名を付記して各人が別々に提出することもできます。この場合、当該申告書を提出した相続人は、他の相続人に申告した内容を通知しなければならないことになっています。
(3) 準確定申告における所得控除の適用
イ 医療費控除の対象となるのは、死亡の日までに被相続人が支払った医療費であり、死亡後に相続人が支払ったものを被相続人の準確定申告において医療費控除の対象に含めることはできません。
ロ 社会保険料、生命保険料、地震保険料控除等の対象となるのは、死亡の日までに被相続人が支払った保険料等の額です。
ハ 配偶者控除や扶養控除等の適用の有無に関する判定(親族関係やその親族等の1年間の合計所得金額の見積り等)は、死亡の日の現況により行います。
 準確定申告書には、各相続人の氏名、住所、被相続人との続柄などを記入した付表を添付し、納税地の税務署に提出します。

相続放棄と限定承認 被相続人に負債がある場合

もし被相続人の負債が大きく、相続財産を上回る額になるようなら、相続を拒否することもできます。
相続財産はプラスのものだけに限らず、負の遺産もあります。財産だけ相続するという都合のいいことは認められません。財産と一緒に借金も相続しなければなりません。
財産を受けつぐかどうかの判断は、相続人に任されているのです。財産を受けつぐことを「相続承認」といい、財産の受けつぎを拒否することを「相続放棄」といいます。
相統の放棄は相続の開始を知ってから3ヵ月以内に、家庭裁判所に相続権の放棄の申し立てします。受理されたら「相続放棄申述受理証明書」を交付してもらえるので、被相続人の残した借金に対して収り立てを受けた場合に対抗できます。放棄すると、その相続人は、いなかったものとして残りの相統人で遺産を分割します。

また、被相続人が亡くなったときに財産や負債がどれくらいあるか、すぐにはわからないケースもあります。こんなときは、「限定承認」という方法もあります。相続した資産を限度として、被相統人の借金を負担するという相続の認証です。この場合は清算したあとに負債が残っていても支払う義務はありません。
限定承認も、相続開始3ヵ月以内に手続きをしなければなりません。しかも、相続人全員一致して家庭裁判所に申し立てしないと認められません。
相続放棄したときは代襲相続はありません、。従って、被相続人の子供が相続放棄したとき、その子供、被相続人から見て孫が相続人になることはありません。

財産を相続しないだけなら、手続きは簡単です。本来もらえるものをほかの相続人に譲るわけですから「遺産分割協議書」を作って、相続人全員が署名押印すればいいのです。

相続税の連帯納付義務

相続税の納付については各相続人が相続・遺贈によって受けた利益の価額を限度として、お互いに連帯して納付しなければならない義務があります。
同じ被相続人から財産を取得した他の相続人がいる場合、ある相続人が相続税の納付を行っていない場合、他の相続人は相続で受けた利益を限度として他の相続人の未納の相続税を納めなければならない義務を負っています。これが連帯納付義務です。相続人の誰かが税金を滞納すれば、相続により受けた利益相当額を限度として、別の相続人に未納分の請求が行われてしまうので、きちんと納税した相続人にとっては大迷惑です。
相続税を納付すべき者が納税猶予または延納の適用を受けている場合や申告期限から5年を経過した場合には、基本的に連帯納付の義務を心配する必要がなくなりました。しかし、納税猶予や延納の適用を受けていない場合で、5年間経過するまでは他の相続人の分の相続税の納付義務があります。
この連帯納付義務には高額な延滞税(年14.6%)も含めて請求されるので要注意です。
未納を回避するのには相続人全員が相続税を完納できるような遺産分割を行うことが重要で、相続人それぞれに課税される税額を先に計算し相続税の申告も相続人全員で情報共有して行うとこので問題を解決できると思われます。

未成年者と障害者の控除

相続人が未成年だったとき、あるいは障害者のときは、相続税額が安くなる控除があります。

未成年者控除
相続人である子供が未成年であるときは、成年になるまで、教育費や養育費などが必要となってきます。この点を考慮して、相続税の負担が軽減される措置がとられるわけです。

【未成年者控除を受けるための3つの条件】
・相続したときに20歳未満である。
・法定相続人である。
・日本国内に住んでいる。

控除される額は、その相続人が満20歳に達するまでの年数につき、6万円となります。年数に|年未満の端数があるときは、切り上げて1年として計算します。
法定相続人が未成年者控除の条件ですから、たとえば相続権のない孫に遺贈したときは、たとえこの孫が未成年者であっても、未成年者控除は適用されません。
この未成年者控除において、その控除額が未成年者本人の相続税額より多いときは、その金額分だけ、未成年者の親や兄弟から控除してもいいことになっています。
たとえば60万円控除を受けられる人の相続税が40万円のとき、20万円の控除額が不足になります。その不足分だけについて、その相続人の扶養義務者の相続税額から差し引くことが認められます。

障害者控除
相続人が障害者のときは相続税から一定の金額を控除することによって、負担を少しでも軽くしようという考えからきています。
控除れる額は、一般障害者のときは、85歳になるまでの年数1年ごとに6万円、特別障害者のときは、1年ごとに12万円としています。
85歳までの年数を算出するとき、1年未満の端数は切り上げて計算します。
本人の相続税額より控除額が多くなったとき(相続税額<控除額)は、控除額と相続税額の差額を、相続人の扶養義務者の相続税額から差し引くことができるようになっています。

未成年者控除額の算出
未成年者控除額=6万円×(20歳一相続開始時の年齢)
例 相続開始の年齢12歳8ヵ月 ※年数の端数は切り上げ
控除額=6万円×(20歳-12歳)=48万円

障害者控除額の算出
一般障害者
障害者控除額=6万円×(85歳一相続開始時の年齢)
特別障害者
障害者控除額=12万円×(85歳一相続開始時の年齢)

財産目録の作り方

相続財産目録には預貯金や不動産などプラスの財産はもちろんのこと、借金などのマイナス財産もすべて記入します。相続財産目録作成は、法律上の義務はありません。しかし財産が多種多様だと遺産分割協議書作成や相続手続きで混乱するために作成しておくことをお勧めします。

財産目録作成手順
・遺品の整理をし、不動産の権利書や通帳・印鑑・保険証書・各種の契約書などを調べます。
・郵便物は重要です。亡くなった前後に送られてくる銀行、証券会社、保険会社などからの書類によって財産の有無が判明したり、債権者・債務者から請求書等により借金の存在が分かったりします。
・相続人や関係者への聞取りによって財産を特定します。相続財産に関する情報を出し合います。
・各財産ごとの評価額を出し財産目録を作成します。書式は自由です。エクセルなど表計算ソフトで分かりやすく作成することをお勧めします。

各財産の種類(一例)
プラスの財産
・不動産
・不動産上の権利(借地権・借家権等・抵当権)
・動産
・有価証券類
・債権(貸付金・売掛金)
・被相続人が被保険者で受取人である生命保険

マイナスの財産
・借金・債務
・保証債務
・損害賠償債務
・公租・公課

小規模宅地等の評価減にも申告が必要

小規模宅地等の評価減について
見落としがちな手続面の問題ですが、小規模宅地等の評価減は、
相続税の申告期限までに遺産分割を終了し、相続税の申告をして初めて小規模宅地等の評価減の特例を受けることができます。
このように相続税には申告をして初めて認められる規定が幾つかあります。
下記のものは申告要件のある規定です。
・配偶者の相続税の軽減
・物納の許可
・延納の許可

国外資産の外国税額控除

現在、資産運用などで海外に投資をするケースが数多くなってきています。この場合、外国にある資産についても相続税がかかります。
しかも、その外国においてさえ日本の相続税に当たる税金がかかってくるケースもでてきます。
そうなると、同じ財産について、
・日本国内で相続税の対象
・外国でも相続税の対象
となり、二重に課税されてしまうのです。そこで、日本で相続税を計算するときに、外国で課税された分け差し引いてもいいことになっていいます。
これを外国税額控除といいます。
ただし、被相続人が外国に住んでいたときは、外国にある財産には日本の相続税はかかりません。

これは、所得税の外国税額控除の場合、国税庁:所得税の外国税額控除の類似例という事になります。

遺産分割協議書の具体的書式

被相続人の残した財産について、どの相続人がどの遺産を承継するのかということを決める手続きのことです。
相続人間の話し合いによって自由に決められ、均等に分けることも、ある相続人の取り分をゼロとするような遺産分割も可能です。
重要な点は
・相続人は誰か?
・法律で決められた相続人の具体的な相続分はどのくらいか?
・遺産の範囲、遺産の調査及び評価
これらの点で遺産分割協議書の内容が変わります。

現金と銀行預金のみの場合はシンプルです。下記にその例を記します。


遺産分割協議書

被相続人X(本籍:○○○○○○○○○○○○○○○○○)は平成○年○月○日死亡したので、その相続人A及びBは、被相続人の遺産につき次のとおり分割することを協議した。

1.次の財産は、Aが取得する。
(1)○○銀行 ○○支店 普通預金
口座番号 ○○○○○○○○
金1000万円
(2)○○○○銀行 ○○支店 定期預金
口座番号 ○○○○○○○○
金500万円

2.次の財産は、Bが取得する。
(1)○○銀行 普通預金
口座番号 ○○○○○○○○
金500万円
(2)現金 金150万円

3.本遺産分割協議の時点で判明していない被相続人の遺産が後日発見された場合は、別途協議するものとする。

以上のとおり分割協議が成立したので、これを証するため、本書を作成し、各自署名押印する。

平成○○年○○月○○日

住所:○○○○○○○○○○○○
A  印

住所:○○○○○○○○○○○○
B  印


不動産の場合は、所在・家屋番号・種類・構造・床面積などを登記簿謄本などを取り寄せて明確に記します。その後、不動産を相続した場合、不動産の登記申請の時に遺産分割協議書と共にそれぞれの相続人の印鑑証明、戸籍謄本等が必要となります。

相続税申告書の提出後に申告していない財産が見つかった場合・相続税額が過少の場合

申告した財産が少なく相続税額が過少だったときは修正しなくてはなりません、通常下記のケースが主な理由です。
・申告していない財産が新たに見つかった
・財産を間違って評価した
・相続税の税額を間違った計算方法で行った
これらの場合、正しい金額に修正した申告書を再度提出することができます。税務署に「修正申告書」という用紙がありますからこれで修止申告します。
もし、過少申告したことに気が付いてそのままにしておくと、税務署は「税務調査」を行い、正しい税額を納めるよう更正処分をします。こうなると延滞税に加えて「過少申告加算税」まで支払わなければなりません。指摘される前に、自分からすすんで修正申告を行えば、不足分の税額に対する延滞税を支払うだけですみ、過少申告加算税は支払わなくてすみます。
ちなみに、申告期限内に気付いて修正申告をすれば延滞税もありません。余裕を持った準備と手続きを経て相続税の申告を行うことが大切です。

死亡した人に借金や未納税金があった場合

相続は亡くなった人の財産に関する権利だけではなく、債務も引きつぐことになります。そこには借金も含まれます。
相続するときは、借金も財産のうちという考え方で、債務も引きつぐことになります。負の遺産ですが、財産だけ受けついで借金は受けつがないという都合のいいことはできません。
そこで相統税を計算するときは、負担しなければならない借金を、相続財産から差し引くことができます。これを「債務控除」といいます。これに認められるものは、被相続人の死亡時に残された債務で、相続人が弁済することになっているものすべてになります。控除される債務例としては、住宅ローンなど金融機関からの借人金、事業の買掛金や未払金、クレジットローンの未払金などが挙げられます。
また、未払いの税金も控除の対象になります。死亡した被相続人の所得税や住民税、固定資産税は、未納という形で相続人に受けつがれ、全額が債務控除として認められます。ただし、債務でも控除の対象にならないものもあります。相続税が課税されない墓地や仏壇を購入した際の借金は控除が認められません。生前に墓地や仏壇を買った場合は相続前に代金を支払っておく方が良いということになります。

また、控除の対象として忘れてならないのが葬式費用です。被相続人が死亡したときの葬式費用は、相続財産から差し引くことができます。しかし。死亡した被相続人の社会的地位や遺産などから見て、過大すぎると見なされた場合、控除の対象からはずされることもあります。
また、香典返しにかかった費用・法事の費用は控除が認められていません。

10年以内の相次相続控除

相次相続控除
今回の相続開始前10年以内に被相続人が相続・遺贈など贈与によって財産を取得し相続税が課されていた場合には、その相続税額から、一定の金額を控除します。

相次相続控除が受けられるのは下記の方々です。
1) 被相続人の相続人であること
この制度の適用対象者は、相続人に限定されていますので、相続の放棄をした人及び相続権を失った人がたとえ遺贈により財産を取得しても、この制度は適用されません。
2) その相続の開始前10年以内に開始した相続により被相続人が財産を取得していること
3) その相続の開始前10年以内に開始した相続により取得した財産について、被相続人に対し相続税が課税されたこと
相次相続控除は、前回の相続において課税された相続税額のうち、1年につき10%の割合で逓減した後の金額を今回の相続に係る相続税額から控除するものです。

最初にあった相続を「第1次相続」、その次にあった相続を[第2次相続]といいます。控除があるのは、第2次相続のときです。たとえば、祖父、父親が相次いで亡くなったとします。その孫が受けついだ財産の相続税がどれだけ軽減されるか?
祖父が亡くなった3年後に父親が亡くなったとすると、最初の相統(第1次相続:祖父が亡くなって父親が相続人になったとき)で、父親が支払った相続税から、今回の相続まで1年ごとに10%ずつ軽減し、30%減額した残りの70 %が控除の対象ということになります。そうしてみると、第1次相続からすぐに第2次相続がおこったときは、第|次相続のときの相続税額をほとんどマイナスすることができることになります。第1次相続から第2次相続まで5年たっていれば、第1次相続のときの相続税額のほぼ半分を、マイナスすることができるのです。
このように、第1次相続と第2次相続の間が長いほど、マイナスできる控除額は少なくなります。また、経過年数の端数は切り捨てて計算します。(たとえば3年4ヵ月は3年で計算)

配偶者・子供以外の相続税額2割加算

相続、遺贈や相続時精算課税による贈与によって財産を取得した人が、一親等血族・配偶者以外の人である場合には、相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。
例えば下記のような方々です。
1)  被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した人で、被相続人の配偶者、父母、子ではない人
2)  被相続人の養子として相続人となった人で、その被相続人の孫でもある人のうち、代襲相続人にはなっていない人

相続税額計算
相続税の2割加算が行われる場合の加算金額 = 各人の税額控除前の相続税額×0.2

農地の相続

農地の相続とは、農地法の許可を得ずに農地を相続によって名義書き換えすることです。
死亡というのは本人が意図的に発生させたものではないので、相続による農地の名義書き換えには農地法の許可は不要となりました。

法定相続ではない遺産分割でも、農地法の許可は不要
農地の相続が発生した場合、農地を遺産分割協議によって相続人の一人の物とすることができます。このような場合も、農地法の許可は不要です。ただし、遺言によって相続人以外の方に農地が遺贈される場合は農地法の許可が必要です。

許可は不要だが届け出は必要
農地を相続する場合は許可は不要だが、農業委員会への届け出は必要になりました。農地の相続による農業委員会への届け出は、相続発生から10か月以内にやらなければいけないとされています。10か月の期間内に農地を相続する旨の届出を怠った場合は、10万円以下の科料に処せられる場合があります。

農地の相続税について
相続人が農業を続ける場合には、納税についての特例があります。
■免除される場合
(1) 特例の適用を受けた農業相続人が死亡した場合
(2) 特例の適用を受けた農業相続人が特例農地等の全部を租税特別措置法第70条の4の規定に基づき農業の後継者に生前一括贈与した場合
(3) 特例の適用を受けた農業相続人が相続税の申告書の提出期限から農業を20年間継続した場合

特例を受けるための要件
この特例を受けることができるのは、次の要件に該当する場合です。

(1) 被相続人の要件
次のいずれかに該当する人であること。
・死亡の日まで農業を営んでいた人
・農地等の生前一括贈与をした人
・死亡の日まで相続税の納税猶予の適用を受けていた農業相続人又は農地等の生前一括贈与の適用を受けていた受贈者で、障害、疾病などの事由により自己の農業の用に供することが困難な状態であるため賃借権等の設定による貸付けをし、税務署長に届出をした人
・死亡の日まで特定貸付けを行っていた人

(2) 農業相続人の要件
被相続人の相続人で、次のいずれかに該当する人であること。
・相続税の申告期限までに農業経営を開始し、その後も引き続き農業経営を行うと認められる人
・農地等の生前一括贈与の特例の適用を受けた受贈者で、特例付加年金又は経営移譲年金の支給を受けるためその推定相続人の1人に対し農地等について使用貸借による権利を設定して、農業経営を移譲し、税務署長に届出をした人
贈与者の死亡の日後も引き続いてその推定相続人が農業経営を行うものに限ります。
・農地等の生前一括贈与の特例の適用を受けた受贈者で、障害、疾病などの事由により自己の農業の用に供することが困難な状態であるため賃借権等の設定による貸付けをし、税務署長に届出をした人
贈与者の死亡後も引き続いて賃借権等の設定による貸付けを行うものに限ります。
・相続税の申告期限までに特定貸付けを行った人(農地等の生前一括贈与の特例の適用を受けた受贈者である場合には、相続税の申告期限において特定貸付けを行っている人)

(3) 特例農地等の要件
次のいずれかに該当するものであり、相続税の期限内申告書にこの特例の適用を受ける旨が記載されたものであること。
・被相続人が農業の用に供していた農地等で相続税の申告期限までに遺産分割されたもの
・被相続人が特定貸付けを行っていた農地又は採草放牧地で相続税の申告期限までに遺産分割されたもの
・被相続人が営農困難時貸付けを行っていた農地等で相続税の申告期限までに遺産分割されたもの
・被相続人から生前一括贈与により取得した農地等で被相続人の死亡の時まで贈与税の納税猶予又は納期限の延長の特例の適用を受けていたもの
・相続や遺贈によって財産を取得した人が相続開始の年に被相続人から生前一括贈与を受けていた農地等

国税庁より

遺産分割の方法

相続人を確定する
遺産分割協議は、相続人全員の参加が原則です。相続人の一人でも欠いた遺産分割協議は無効です。また、遺言による包括受遺者や相続分の譲受人がいるときはその方も協議に参加しなければなりません。
     
相続人を確定するには被相続人の出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍などをもれなく取寄せます。これによって戸籍上の相続人が明らかとなります。
また、胎児・行方不明者や生死不明者・未成年者・意思能力が不十分な者がいる場合など、この者に代わって協議に参加する者が必要になります。

相続財産を確定する-遺産の範囲
ある財産が被相続人の遺産なのかどうか、相続人の間でもめることがよくあります。話し合いがつかなければ家庭裁判所の審判や通常の民事訴訟で争われることになります。

遺産の評価をする-財産目録を作る
遺産分割協議を行うにあたっては、あらかじめ被相続人が残した遺産のすべてを洗い出し、財産目録を作ります。
     
遺産分割の際の財産の評価は、分割の協議をする時点の時価(実勢価格)でするのが原則です。遺産の評価でとくに問題となるのは不動産です。とりわけ土地は路線価、固定資産評価額、公示価格、基準地価とかといわれるものがあり複雑です。
分割の対象になっている不動産をいくらに評価するかを、相続人の間で合意できればそれでもよいのです。相続の開始から現実に遺産分割するまでに相当な期間が経ち、その間に遺産の評価が大きく変
動していることがありますが、現実に分割する時点で評価するものとされています。

全員が分割内容に合意する
遺産分割協議は共同相続人全員の合意が必要です。相続人が遠方にいるなど、実際にはむつかしい場合があります。このような場合、相続人の1人が分割案を作って相続人の間を持ち回って承諾を得ることでもかまいません。相続人1人に1枚ずつ作成してそれに各相続人が署名捺印するという方法は、「遺産分割協議証明書」といいます。
   
遺産分割協議書を作成する
全員の合意により協議が成立したときは、それを証する「遺産分割協議書」を作成します。
遺産分割協議書は後日、不動産の登記や銀行預金などの名義変更をする際に必要となります。

遺言書の種類

種類 自筆証書遺言
作成方法 遺言者が全文、日付け、氏名を自書し押印(認印可だが実印が望ましい)。ワープロ、テープは不可。
日付けは年月日まで記入。
場所 自由
証人 不要
署名捺印 本人
家庭裁判所の検認 必要
メリット 作成が簡単で費用がかからない。
遺言内容や遺言の存在を秘密にできる。
デメリット 改ざん、紛失のおそれがある。
様式の不備で無効になるおそれがある。
内容が不完全なことにより紛争になるおそれがある
検認手続きが必要
種類 公正証書遺言
作成方法 遺言者が口述、公証人が筆記。
印鑑証明書・身元確認の資料・相続人等の戸籍謄本、登記簿謄本などの書類が必要。
場所 公証役場
証人 2人以上
署名捺印 本人、公証人、証人
家庭裁判所の検認 不要
メリット 改ざん、紛失のおそれがない
証拠能力が高く、無効になるおそれがない。
検認手続きが不要。
デメリット 手続きが繁雑
公証人の手数料がかかる
遺言の存在と内容を秘密にできない。
種類 秘密証書遺言
作成方法 自筆証書遺言と同様に作成し、署名印と同じ印で封印。住所・氏名と本人のものに違いない旨の宣誓。
公証人が日付けと本人の遺言であることの確認を記載する。
代筆、ワープロ可。
場所 公証役場
証人 2人以上
署名捺印 本人、公証人、証人
家庭裁判所の検認 必要
メリット 改ざんのおそれがない
遺言内容を秘密にできる。
遺言の存在は公証されているので偽造のおそれが少ない。
デメリット 手続きが繁雑
公証人の手数料がかかる
遺言の内容は公証されてないので紛争になるおそれがある。
検認手続きが必要。